専門性を生かした診療コンテンツ
HPV検査
HPV検査の種類と特徴
検査のご紹介
ハイリスクHPV一括検査(インベーダー法)
- 細胞診と同時に検査可能
- 対象がハイリスクHPV のみ
- 16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,67,68 型のハイリスク型HPV14種類を検出
- 型別判定は不可(結果は陽性か陰性)
- 偽陰性、疑陽性が少ない検査です※1
- 検査結果は約1週間と短期間で得られる
- コストがやや安い
- 保険で検査を受けることができる場合がある※2
HPVタイピング検査(ジェノタイピング)
- 細胞診と同時に検査可能
- 対象はハイリスクだけ
- 16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68型のハイリスク型HPV13種類を検出同定
- どの型に感染しているのか判定が可能
- 検査結果は2 週間とかかる
- コストが高い
- 保険で検査を受けることができる場合がある※3
HPV検査を受けるべき対象となるのは?
- 30歳以上の子宮頸がんのスクリーニングとして用いる
(ハイリスクHPV一括検査)
HPV検査は子宮頸がんのスクリーニングという点では上述のように非常に感度が高い検査でありますが、20歳代以下で多く陽性にでてしまう(子宮頸がん偽陽性)という点で特異度が低いという欠点を持ちます。
そこで30歳未満で検診希望の女性は子宮頸がんのみ、30歳以上の検診では子宮頸部細胞診+ハイリスクHPV検査の組み合わせが最も良いと考えます。
子宮頸がんスクリーニング推奨検査
30歳未満:子宮頸部細胞診
30歳以上:子宮頸部細胞診+ハイリスクHPV検査
- 細胞診で正常か異常か微妙という結果がでた場合
(ハイリスクHPV一括検査)
子宮がん検診を受け、子宮頸部細胞診結果がASC-US(ベセスダ分類)という結果が見られた場合、ハイリスクHPV感染が約50%存在するとされています。そのためハイリスクHPV一括検査を施行し感染の有無を調べます。
陰性であれば年1回の検診で十分です。陽性の場合は軽度異形成以上の病変を含むものがあると考えられるため、コルポ診や組織検査を実施することになります。(※1 保険による検査となります)
- コルポスコピー下での組織診を受け、軽度あるいは中等度異形成(CIN1 or CIN2)と診断された場合(HPVタイピング検査)
軽度~中等度異形成の場合、感染しているHPVの型により、その予後が大きく変わってくることが知られています。HPVタイピング検査を施行し、その結果により治療(レーザー治療)やそのリスクにあった経過観察のインターバルを決めます。(※ 2 保険による検査となります)
- CIN2/3(中等度異形成〜上皮内がん)の術後再発マーカーとして用いる
CIN3に対して円錐切除術やレーザー蒸散術を施行した場合、約80%の症例でHPV検査が陰性化します。そのようなケースでは術後の再発はほとんど見られません。
一方、HPV検査陽性例からは約50%が再発するとされています。従って、術後にHPV検査陽性の場合は術後の管理は通常より厳密に行うことになります。