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HPV検査
HPV(ヒト・パピローマウィルス)検査とは
HPVの中で尖圭コンジローマ、子宮頸部異形成や子宮頸がんと大きな関わりを持つハイリスクHPVの存在の有無やHPV各型を同定することもできます。
子宮頸がんのスクリーニングや異形成の管理方法の決定に役立ちます。
HPV(ヒト・パピローマウィルス)について
- HPV感染が子宮頸がんの原因であることがほぼ解明されています
- HPV感染は性交渉により伝搬します
HPVは皮膚・粘膜の接触で人から人へ伝搬します。
従って性交渉のない女性には性器HPVの感染は理論的にはおきないということです。
- HPVは感染している型により子宮頸がんの発症リスクは異なります
子宮頸がんに高頻度で検出されるHPV をハイリスク型※1と呼び、その型は13種類あります。ハイリスク型で最も多いのは16 型で全体の45〜50%を占めます。次に多いのは18型で子宮頸部腺がんとの関連もあると考えられています。
ハイリスク型HPVのうち、HPV16、18、31、33、35、45、52、58型の8つのタイプはいずれも自然消失しづらく特に子宮頸がんに進展しやすいのでより注意が必要です。
- 持続感染は異形成を経て子宮頸がんになる可能性があります
性器HPVは性交渉後数ヶ月の潜伏期間を経て感染が成立します。ただし一般的な性感染症とは異なり、感染してもその進行は遅く、またその多くは免疫状態とのバランスで不顕性感染※2や一過性の感染※3で終了します。
その中でわずかに残ったハイリスクHPV感染持続女性だけが5~10年かけて癌化へのリスクをもつことになるのです。 年代別では特に20歳代以下でのハイリスクHPV感染率が他の年代より高く(25%位)、近年若年発症の子宮がんが問題となっています。
但し、他の年代に較べHPV感染のほとんどが一過性感染で消失する傾向が強いため、細胞診に比べHPV検査の意味合いが薄いといえます。一方、年齢とともに感染者の頻度は減少(50歳代:5%)していきますが、30歳以降は持続感染症例が大部分を占めるようになるので子宮がんの発症リスクを知るためにHPV検査は意義があると考えます。